社長と私


寂しさの穴埋め

なんてピッタリな言葉。

「…………あなたはどうするの?
寂しくて耐えられない日は。」

フー…とタバコを吐き出す後ろ姿を見つめながら、足を組んで小さく丸まった。


少しの沈黙の後、引い声が返ってきた。


「…仕事をする。
考える隙間もないぐらいに。」

そう。
彼は身につけている物、雰囲気、話し方

全てからエリートの匂いがぷんぷんする。
30半ばとか?

「…女はなかなかそうはいかない。
誰かに甘やかしてもらわないと頑張れないし満たされないの。」


「好きでもない奴にか?
余計寂しくなるだろう。
俺はな、男がいないとダメな女は嫌いなんだ。
依存して、疲れて、泣くんだ。
他に目を向ける事を知れ。」

あたしが彼氏に振られた理由はまさにそれだと思った。



< 5 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop