甘恋綺譚〜幼なじみは王子様〜
「美弥子、超イケてる彼氏Getしたんだし。結婚も考えてるんでしょ?それじゃ、がんばる気起きないよ、フツー」
美弥子の彼氏は、4歳上の、会社の上司だ。
純は一度だけ、彼と美弥子と食事したことがあった。彼いわく、
「美弥子に胃袋掴まれて逃げられない」
だそうだ。
カジュアルワンピの美弥子と、ブランドスーツの彼が並んで歩くと、若干そぐわない気も、しないでもない。
でも、彼女達が振り撒くオーラは蜜月の恋人そのものだ。
「今日、何食べたい?」
「ミヤの作るもんなら何でも」
語尾にハートマーク付いてそうな口調は、こっちまで顔が赤くなる。