溺愛窒息Kiss
憂*side
「付き合わないよ」
『付き合えばいいのに』あたしがそういうと、隣にいる亮は言った。
付き合えばいいのに、なんて思ってるわけがない。
告白されたの?って聞くのも、断ったかどうか気になるからで、こんなこと、言いたいわけじゃない……
「なんで?」
「俺は……付き合わない」
ほら、またこうやって誰かを想うように言うんだ。
知ってる。
亮に好きな人がいるってことぐらい。
こうやって、『どうして付き合わないの?』って聞くと、いつも誰かを想うような顔で答えるんだ。
『付き合う必要がない』って。
このときも、そう言うと思った。
だけど、違って。
亮は真剣な顔で言ったんだ。
「憂がいるから」
って……
え??
始まった沈黙。