溺愛窒息Kiss
亮*side
「ずっと、ずっと深海君が好きだったの!」
下校時間がとっくに過ぎ、誰もいない教室で、
彼女は言った。
さっきまで一人で係の仕事をしていたのに。
なんでこうなったんだ?
頭で色々考えながらも、俺は言った。
「ごめん……。俺誰とも付き合う気ないから」
それを聞いた彼女は伏せていた顔を上げ、瞳を潤ませながら言った。
「どうして……?」
「それは言えない」
どうして?
どうして誰とも付き合わないのかって?
憂が好きだから……
「そんなの、そんなの納得できないよっ!!」
溜まりに溜まった涙を零して、彼女は俺に抱き着いてきた。
急すぎる行動に、どうすることもできない俺。
「あたし……あたしほんとに深海君が好きなの……大好きなのっ」
泣きながら、抱きしめながら、彼女は言った。
やっと我に返った俺は、彼女を体から離し
「ごめん」
ただそれだけ言った。