溺愛窒息Kiss
彼女は泣きながら、教室を出て行った。
静けさが、俺を包む。
「はぁ……」
溜息をつき、顔を机に伏せる。
俺のことを想ってくれるのは、嫌じゃないし、嬉しい。
だけど、それを断るのは辛い。
だったら断るなって思うかもだけど、俺は憂が好きなんだ。
大好きで大好きで……仕方ないんだ……
そういえば、憂、待ってるよな。
早くしないと。
俺は用具を片付けて、憂の待つ土間へと急いだ。
あ、れ……?
憂がいない。
土間に来たが、憂の姿が見えない。
もしかして、帰った?
でもそういう時はいつもメール入ってるし。
それからしばらく憂を探したが、憂はいなかった。