溺愛窒息Kiss
憂*side
「はぁ……」
同じ色の続くアスファルトを見つめながら、あたしは溜息を漏らした。
いつも亮と歩いてた帰り道。
それが当たり前だったから、こんなに寂しいなんて思わなかった。
だったら亮と一緒に帰ればいいのに、って?
無理だよ。
あたし素直じゃないし。
勝手に避けてるのはあたしのほう。
でも、避けないで普通に話すなんて無理。
もう自分がわからない……
亮に好きな人がいるのはわかってた。
理解してた。
だけど……
やっぱ……無理だよ……
ポタッとアスファルトの上に雫が落ちる。
あたし、泣いてるんだ……
そう思うと、あとからあとから、涙が溢れ出した。
亮……亮……
あたし、あたしこんなにも亮のこと……
好きだよ……