溺愛窒息Kiss
亮が、ほかの女の子と付き合うなんて……やっぱ無理だよ……
「りょ…う……」
「…………なに?」
不意に聞こえた声。
聞き覚えがある……ううん、あたしが好きな、大好きな人の声……
あたしは驚いて後を振り返った。
「亮……?」
そこには息を切らして、肩で息をしてる亮がいた。
膝に手をつき、それを見ただけで走ってきたというのがわかる。
どうして……?
どうして、亮がいるの……??
「どう……し―――」
フワッと何かに包まれる感触。
それと同時に、亮の匂いと温かさが肌に伝わってきた。
抱きしめられてる―――
そう理解するのに結構時間かかって、そして理解したときには、また涙が溢れ出していた。