溺愛窒息Kiss
停止していた思考が、動き出す。
「りょっ……やっ……離してっ」
亮の腕の中で抵抗するが、男である亮にはびくともしない。
「無理」
「離してっ……!」
「やだ」
そう言って亮は抱きしめている腕の力を強めた。
どうして……?
どうしてあたしは抱きしめられてるの?
どうして亮はあたしを抱きしめてるの?
「な……んで……?」
涙が止まらないあたしは、聞こえないぐらいの小さい声で言った。
亮には聞こえてるのか聞こえてないのか、ただ抱きしめていた。
流れる沈黙。
それを破るかのように、亮は言った。
「俺、憂が好きなんだ」