溺愛窒息Kiss

慣れた


というより、麻痺した。

胸が痛いから、だからなに?


どうすることもできないのに、いちいち気にしてたらキリがないでしょ。

無理矢理、自分で自分に“麻痺”させた。





「まぁ、確かに」

「でしょ?」

「だけど、辛いでしょ?」


辛い……ね。

「別に」


ほら、またこうやって自分に嘘をつく。

こうすることで、気にしないフリをする。



「でも、憂もモテるよね」

急に話しがあたしに切り替わり、あたしは『は?』とマヌケな声を出した。


「だって、たくさんいるよ?憂が好きだって言う人」

「誰がこんな冷めた女好むのよ」


そう、あたしは自他共に認める人一倍冷めた女。


ちょっとよく言えば、“冷静”な女。




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