溺愛窒息Kiss
嫌味?
なんで嫌味になんのよ。
疑問に思ってると、顔に出てたのか美麻は言った。
「モテるくせに、そんなことないよ、なんて、完全なる嫌味でしょ」
そう……なのか?
「美麻も可愛いしモテるよ」
「………それも嫌味?」
え?
「違う違う!ほんとだって。結構いるよ、美麻が可愛いっていう人」
これはマジ。
女のあたしから見ても美麻可愛いもん。
「まぁいいや。あたし今彼氏いるし」
なんだそりゃ。
さっきまで『うざい』なんて言ってたのは誰だよ。
「あ、亮君」
ふと美麻が漏らした言葉に、あたしも視線を向ける。
あたしたちが今座ってる席は窓際で、そこから運動場は十分なくらい見える。
友達とじゃれあう亮が視界に写る。
満面の笑みで、幼い子供のような顔。
色々亮を“幼なじみ”としと見てきたけど、あの笑顔だけは変わらない。
初恋は、いつだったかな……
あたしはただ笑う亮を見つめていた。