夢〜明日への奇跡〜(実話)
カタログには真っ白ドレスが沢山のっていた。
女の子なら誰でも憧れる
ウェディングドレス…。
私はお母さんの頼みが何となく分かった。

『麗奈さん…このドレスを着て和実に見せてあげてくれないかな?あの子…あなたのウェディングドレス姿すごく楽しみにしてたの。いつも外を見ながら麗奈のウェディングドレス姿は世界一だろうなって言ってたわ』

『私…こんなお腹だし…今肌もボロボロだから…それに和実は余命二ヶ月を乗り切ったじゃないですか!奇跡を信じたいんです』

私は涙が止まらなかった。まるで…
もうすぐ和実がいなくなるということを知らされているように思えた。

『麗奈さんも医療に携わった仕事していたんだから和実がそう長くないことぐらい分かるでしょ?お願いよ…あの子の夢叶えてあげましょう。お腹大きくてもドレスはあるし私が補正するから。昔裁縫していたことあって腕には自信あるのよ』


…私は無言のまま、しばらく考えた。


和実が喜んでくれるなら…

『…わかりました。お母さん、お願いします』

私は…和実の夢を一緒に叶えることを決意した。

二人で夢見た結婚式…

盛大な結婚式は出来ないけど

和実に世界一綺麗と言われる
花嫁さんになろう。。。
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