夢〜明日への奇跡〜（実話）

『いよいよ明日ね。麗奈さんありがとう。体調は大丈夫かしら？』

何も知らない和実の寝顔を見ながらお母さんが小声で言った。

『はい…大丈夫です。ドクターの許可も貰えてよかったですね。明日になるのが楽しみです。お父さんには知らせたんですか？』

『知らせたわ…返事はなかったけど必ず来てくれると思うわ』

『きっと…来てくれると思います』

『そうね…今日は私が付いてるから麗奈さんは早く帰って休んでね。明日早いんだし花嫁さんが顔色悪かったら大変よ』

『分かりました…じゃあ…お願いします』


私は眠っている和実に
明日ね…
と 呟き病室を出た。


病院を出てお父さんに迎えの電話をかけようとしたとき私を呼ぶ懐かしい声が聞こえた。

『滝沢！』

『源太…どうしたの？』

『あっ…すまん。中島だったな。つい癖で…』

『そんなん気にしないけどどうしたの？和実なら今眠っているわよ』

『いや…どうしても渡したいもんあってさ！とりあえず車乗れよ。俺が送って行ってやっからよ』

私は よく分からないまま
源太の車に乗った。