夢〜明日への奇跡〜(実話)
『和実!お父さん帰ってしまうよ!いいの?私達の結婚式見てもらわなくていいの?』


和実はずっと無言のままだった。


『親父!!』

和実が車椅子を押しながら追い掛けてた。

『俺の世界一綺麗な花嫁見たくないのか?そうやってまた逃げんのか?』

『か…かずみ…いいのか?わしなんかが祝っても』

『麗奈のお腹の中にはお前の孫もいるんだぜ…挨拶しとけよ』

お父さんはずっと泣きながら頷いていた。
私もお母さんと抱き合い喜んだ。


『そろそろ時間です。新郎さんだけ入ってくださいね』

…いよいよだ。
この真っ白い綺麗な扉の向こうには夢いっぱいの世界があるんだね。


和実…頑張ろうね。


私達は強く手を握り
幸せの扉を開いた……


永遠にこの時間が
止まればいいと
心から願った。
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