夢〜明日への奇跡〜(実話)
『滝沢!明日音楽療法の研修行ってくれ〜』

『また私ですか?』

終礼後、主任が私に資料を渡した。
毎回私ばっかりなんだからたまには若い子にも行かせて勉強させればいいのに…でも仕事は仕事だから知識を入れてこなきゃな。


『滝沢さん頑張ってね。源太君も行くんだって!』

意味ありげに笑いながら看護師さんが言った。

ったく…余計なお世話なんだから。
でも…送迎の時 源太そんなこと何も言わなかったのに…。

『源太明日研修だってよ!』
『おう。知ってる。滝沢とだろ?だりーな!お前場所分かるよな?何度も行ってるから方向音痴のお前でも大丈夫だろ?俺初めてだから場所分からないんだ。一緒に行かねーか?』

『誰が方向音痴よー!失礼ね!!絶対一緒になんか行かないからね』

『嘘だよ!ゴメン!お礼にリボンのついた猫の安いやつ買ってやっからよ』

『リボンのついた猫って何よー(笑)キティちゃんでしょ?でも嬉しい!ならば一緒に行く事許可します。でも安いやつって何よ!ケチ!』

『仕方ねーだろ!給料前やし(笑)全く…お前単純だな!じゃ待ち合わせは滝沢の家な!お前んとこに車置かせてよ』

『いいよ!でも私が迎え来るのに』

『あほかっ!!女に迎えなんかさせられっかよ。あっ!お前女じゃねーな(笑)』

『マジむかつく!一言余計なの!』



源太ってほんと優しい。
言葉は荒々しいけど
何か暖かいんだよね。
美樹ちゃんはきっと幸せだっただろうね。
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