夢〜明日への奇跡〜(実話)
『おい!!滝沢どうしたんだよ!ボーッとして!当てられっぞ』

『あっ…ごめん。』

『ったく…レポートとらないと主任に口うるさく言われるぞ!でも音楽療法って結構良さそうじゃん…』

『そうだね…』

私は
『中島和実』
という人に何故かドキドキしていた。

背が高くて、
優しそうな眼差しに
喋り方
ハンサムで
写真で見た若い頃のじーちゃんに何となく似ていた。

『では皆さんの施設でのリハビリなどで取り入れてるものがあれば何でも発表してください!でわ…希望苑さんお願いします』

『はっはい!滝沢麗奈です生年月日は…昭和53…』

『おっおい!お前!!何自己紹介してんだよ!』

私は源太の声で我に返ったすでに会場は爆笑…。
やだ…恥ずかしい…
私何言ってんだろ…。
先生も笑ってるし!
まさに穴があったら入りたいとはこの時だった。

『うちの苑でわ園芸療法を行っていて利用者の方と季節ごとに野菜など一緒に作ったりしています』

何とか源太がカバーしてくれたが恥をかいたまま一日の研修が終わった。


帰りに今日のレポートを先生に提出しなくてはならなかった。
恥かいちゃったし先生の所行くの恥ずかしいなぁ…
とりあえず謝らなきゃ…


『お疲れ様でした。今日はすいませんでした。私自己紹介なんかしてしまって』

『いや、面白かったよ!自己紹介続けてくれても良かったのに!笑い取ってくれてありがとう。
俺こんな場慣れてなくて。お互い頑張りましょうね。お疲れ様でした』 。。。。。

これが初めての和実との会話だった。
優しく笑う顔 今でもはっきり覚えてる。
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