夢〜明日への奇跡〜(実話)
〜第2話〜 12月12日
『おはようございます』

秋が過ぎ、冬本番を迎える肌寒い朝、ここ
通所リハビリ施設 希望苑に麗奈の元気な声が響きわたる。

『滝沢さん相変わらずテンション高いね』

6歳下の同じ介護福祉士である相沢祥子が寒さでセーターの袖口に手を隠しカイロを握りしめ眠そうに言った。

『当たり前。朝は一日の始まりなんだから元気にいかなきゃ!今頃からカイロ使ってたら真冬は過ごせないよ。ほらっ、さっさと入浴準備しないと迎えの時間きちゃうよ』

『はーい』

これは日常茶飯事な会話だ。次々に職員が出勤し、いつもの朝礼が始まる。
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