夢〜明日への奇跡〜（実話）

席に戻ると不機嫌そうに煙草を吸ってる源太がいた。

『お前何分しゃべれば気がすむんだよ！あいつこの前研修の講師だろ？わざわざ話しに行かなくてもいいんじゃねーの？』


『挨拶だよ挨拶！この前恥かいちゃったし』


『へぇ〜』

つまらなそうに源太は答えウィスキーを飲んだ。

『ねぇ歌いたいんじゃなかったの？一緒に歌おうよ』

『なんか…んな気分じゃねーわ』


そうゆうと源太はまた煙草に火をつけ黙り続けた。

源太らしくないな…
どうしたんだろ…

一時沈黙が続き気まずい雰囲気だった。


『そろそろ帰るか』

『えっ…もう？』


『優兄！いくら？帰るわ！ご馳走さん』


『もう帰んのか？お前のいつもの歌声聞いてねーぞ！』


『今日はもう疲れたわ。また次回な！』


『お前らしくねーな！今日はおごってやるよ！クリスマスプレゼントな！麗奈ちゃんまたいつでも来なよ！』


『はい。ありがとうございました』


『優兄！サンキュー！またな！』


私は何度も会釈をし店を出た

店を出ると
外は雪が降っていた…

ホワイトクリスマス…

すると遠くから私を呼ぶ声がした。

『麗奈ちゃーん』

振り返ると慌て出てきたのか真冬なのに薄着の中島先生が立っていた。

『これ忘れてた。いつでもいいから連絡してきなよ』
そう言うと私に雪のかたまりを投げてきた。
その中には先生の携帯番号付きの名刺が入ってた。

私は軽く会釈すると源太が先生にわかるように私を抱き寄せた。

『ちょっ…と何するのよ！離してよ』


『…っるせーな！寒いんだよ！早く行くぞ』


私は振り返れなかった。
先生が見ていたのは分かっていたけど源太の力に勝てっこなかった。

タクシーの中で源太は無言のままだった。

『今日はありがとう。キティストラップ大切するから』

『ああ。あいつに電話するのか？』

『何？何て言ったの？』

『いや…何でもないよ。おやすみ。風邪ひくなよ』

『うん…おやすみ』

私は何で源太があんな態度をしたのか分からなかった。