夢〜明日への奇跡〜(実話)
『麗奈ちゃん買ってくれるのは嬉しいけど本あげるよ車の中に沢山あるから本直して外で待ってて!すぐ来るから!俺の車、黒のステップワゴンやから』

『えっ…でも…』

そうゆうと先生は走っていった。

…どう…しよっ…

私はとりあえず本を戻し外に出た。やっぱり買ってこようかな。図々しいしな。私は本屋に戻ろうとした。
『麗奈ちゃん、お待たせ』
『あの…やっぱり私買ってきます』

『いいって!沢山あるから苑に置いとってもいいし』
そう言うと先生は車の中から本を2冊と沢山のリハビリ資料集をくれた。

『こんなに頂いていいんですか?お金払いますよ』

『律儀やなー!いいって!勉強してよ!研修の時のレポート見させてもらったけど本当に介護好きなんやなって思ったし』

『はい!仕事は大好きです』

『じゃこれを参考にしてくれたら嬉しいな』

先生は優しく笑い私の頭をポンっと撫でてくれた。

…何…このたまらない心音は。
じーちゃんもよく髪撫でてくれたなぁ…。

『麗奈ちゃん飯まだやろ?一緒にどう?おごってやるよ』

『あっ…はい。いいんですか?』

『車ここに止めときなよ。俺ここの店の主人知ってるから言ってきてやるから』

私は初めて先生の車に乗った。
シンプルで飾り気のない車だった。
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