夢〜明日への奇跡〜(実話)
『お母ーさん!私のワックス知らない?』

『騒がしい子だね…洗面所にあるでしょう?今日は偉いメイクに時間かけるわねどちらにお出かけ?源太君ならお母さん大歓迎よ(笑)』


『馬鹿な事言わんといてよ!私にだって好きな人くらい沢山いるんだから』


『はいはい…気をつけるのよ』


私は何度も何度も着替えてやっと大人系の服に決めた。なんか自分らしくはないけど年上の大人の先生に似合うように精一杯背伸びした。まだ充分時間あるなあ早く着き過ぎちゃったかな。
『麗奈ちゃん』

『先生!もう来てたんですか?』

『麗奈ちゃんに早く会いたくてね』


相変わらず先生は優しい笑顔だった。

私の精一杯の背伸びは先生にどう写っているんだろ。
『さっ乗ってよ!』

『はっ…はい!』

『何処に行くんですか?』
『任せなさいって!』

何処に行くんだろ…
私には全く見当もつかなかった。
せっかく大人系の服に、いつもはセミロングの髪にユルユルパーマを無造作にセットしているだけだけど今日はコテで巻いて分け目もつけて来たのに…

先生は全く気付いてなしい何か私だけまいがってる感じするなぁ〜。

『麗奈ちゃん…どうした?俺なんかといたらつまんないかな?』

『違います…すいません』
『麗奈ちゃん着いたよ』

ずっと下ばかり向いてて気付かなかったけど海に囲まれた高台のデートスポットには もってこいの所だった。
< 45 / 122 >

この作品をシェア

pagetop