夢〜明日への奇跡〜(実話)
『これが頭ですよ。心音も確認できました。元気いっぱいですよ!これからツワリも激しくなるので体調管理には充分気をつけてね。次の受診で出産予定日を出しましょう』

『ありがとうございました』

私は小さな我が子の写真をもらい産婦人科を出た。

ちっちゃい…。
可愛いなぁ。
早く帰って じーちゃんに見せなきゃ…。

『滝沢!』

振り返ると源太が顔を真っ赤にして走ってきた。

『源太…どうしたの?仕事は?』

『お前今すぐあいつのいる病院に行け!俺が乗せて行くからよ』

『何?急に。もう和実の事はいいって。それより…ほら見て…私の赤ちゃん。心臓も元気に動いてるって』
『あいつにその写真見せてやれよ!あいつ多分病気なんだよ』

『何言ってるのよ!意味わからない…いい加減にしてよ!』

『本当なんだよ!俺のばあちゃんがあいつのいる病院に入院してただろ?今日退院だったんだ。俺の親が迎えに行けねーから、仕事有給休暇とって迎えに行ったんだよ!』

『それと和実が病気って何の関係があるのよ』

『俺…どうしてもあいつが許せなくて。一言お前の気持ち伝えたくてあいつの所行ったら、ここの三階に入院してるって言われて…あいつの部屋の前にいたら泣き声聞こえてきて…こんな病気じゃなかったら麗奈を抱きしめて堂々とプロポーズできたのに。麗奈と子供と3人で仲良く生きれたのにってハッキリ聞こえたんだよ』

『そ…そんな…嘘よっ』

和実が病気…

絶対嘘…信じたくない…
私何も気付いてなかった。
ひどいことばかり言ってた
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