夢〜明日への奇跡〜(実話)
『麗奈…和実君の御両親は?』

『それが…まだ…』

『実の息子だろ?』

お父さんが不機嫌そうに言った。

確かに一度も見舞いに来ない…
和実は借金あるのに余計な心配かけたくない
って言ってたけど…
子供の事もあるし…

『麗奈ちゃん!』

『あっ!店主さん』

『和実君入院して今日手術だっていうからびっくりしたよ…和実君が出版した本がまた追加が出ちゃたから 電話したら これやけんねー!教えてくれたら良かったのに』

和実に2度も夢を与えてくれたお婆ちゃんの息子さんだった。チャリを必死でこいだのだろう…額には汗、目は涙で真っ赤だった。

『大丈夫ですって!和実は元気になりますよ』

『そうやな……まさか…麗奈ちゃん…妊娠してるのか?いや〜驚いたよ!可愛い女の子だな!間違いない!(笑)和実君かなり麗奈ちゃんにぞっこんやったけん別れるはずがないと思っとったわ…良かった』


『…はい。この子が私と和実を繋いでくれたんです。店主さん…みんな女の子って言うんですよ……和実も絶対女の子だって名前も夢花って決めてるんですよ』

『夢花ちゃんか…可愛い名前じゃ。大変なのは今からじゃな…辛くても決して諦めちゃいかんぞ。笑顔を忘れずにな…ところで結婚は?』


『はい。手術終わってから婚姻届を出す予定です』


『そうか…是非結婚式にはわしも呼んでくれよ』

『もちろんです…』


結婚式か…

考えてもいなかった。


結婚して・可愛い子供作って・笑いの絶えない家庭…
和実 あの時どうゆう気持ちで こんなこと言ったんだろ…

今の和実には…大変ことなのに…。
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