夢〜明日への奇跡〜(実話)
〜第18話〜 世界一の結婚式
私は臨月に入り
和実とずっと一緒いたい気持ちとは うらはらに 確実に和実の体は悪くなる一方だった。担当医の先生にも会わせたい人には今のうち面会に来るように言われた。
それでも和実は一生懸命闘っていた。


『麗奈さん…ちょっといい?』

私は和実のお母さんに言われ病室の外に出た。

『もうすぐ夢花ちゃんに会えるわね…体は大丈夫?』
お母さんは大きくなったお腹をさすりながら言った。
『お母さんどうしたんですか?』

『あの子が余命2ヶ月と言われてからこうやって今も生きていられるのは全部麗奈さんの存在があったからなのよ。本当に感謝しているわ。ありがとう』

お母さんは泣きながら私に何度も頭を下げた。

『お母さん…止めてください。私だけの力じゃないですから』

『あの子には昔から苦労かけっぱなしで。お金の事でもだいぶ助けてもらったわ事業に失敗して毎日主人と喧嘩して私が参って離婚した時も俺はいいから妹だけには好きな事させてくれって習い事のお金も全部和実が払ってくれてね…本当に優しい子だったわ』

『和実らしいですね。お父さんには和実の病気の事知らせたんですか?』

『手紙で知らせたんだけど借金から逃げた人だから和実に会わせる顔がないんじゃないかしら…』

『そんな…和実の父親なのに…和実も会いたいって思っているはずです』


『そうね…麗奈さんにお願いがあるの。あの子に何もしてあげれなかったから』
お母さんは鞄の中から一冊の本を出した。


それは……
ウェディングドレスのカタログだった…。
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