夏と海~summer and sea~
先輩は慌てて腕を退ける。
片足を引きずって歩いている。
「本当に大丈夫ですか??
肩貸しますよ!?」
「へ、平気だから!
とりあえず…保健室行くわ。」
「私付き添います!
航雅先輩!あの…先生が来たら伝えといてもらえますか??」
ランニングが終わり、駆け寄ってきた航雅先輩に一言伝えた。
「あぁ。じゃあ頼むな。」
「はい!」
私は名前もまだわからない先輩に付き添い、保健室へ向かった。
保健室には校医がいて、すぐに手当てをしてくれた。
「たいぶ血は止まったけど、今日の部活は止めておきなさいね。」
「へ~い…。」
しぶしぶ返事をする先輩。
「んじゃ、ありがとうございました~。マネージャー、行くぞ。」
「はい!」
グランドに戻る途中、海斗先生に会った。
海斗先生はなにやら資料のような髪を何枚かもっていた。
「海チャン~!何だよ、それ。」と話しかける。
海斗先生を海チャンと呼んだことが何より驚いた。