夏と海~summer and sea~
「そういうことは始めに言ってください!!」
半分ため息混じりで先生を怒った。
私は先生達をおいて先にグランドに向かった。
グランドではみんながキャッチボールをしている。
あんな小さくて白いボールを毎日目で追ってたら、かなり動体視力よくなるんじゃないか………。
そんな意味不明なことを考えたりした。
やっぱり、こうしてみると一人一人投げ方が違うな………。
当たり前だけど。
キャッチボールが終わり、みんながこちらへ集まる。
同時に先生と翼先輩が来た。
「おいお~い。俺を置いてくなんて、ひでぇじゃねぇか!」
先生が私を後ろから抱きしめてコラッと軽く私の頭をコツンッとした。
また、翼先輩は頭を前からグリグリ~っとしてきた。
私はちょっと痛くて「痛いです!」とブーブー文句を言う。
「まぁまぁ智夏、そう怒んなって~!」
翼先輩がニッと明るい笑顔で「な?」という。
呼び捨てですか!別にいいけどね。
「怪我はいいのか?」
航雅先輩が翼先輩に聞いた。
「あ、はい。全然平気っすよ~!でも今日はやめとくっすね~!」
「わかった。」