夏と海~summer and sea~



「ぎゃはは!翼のドジ~!ダッセ~の!」


突然、翼先輩を大笑いした人物。
彼兎先輩。


「うっせぇ!黙れバカ彼兎!」


先輩に対してそんな口の聞き方をすることに私は驚いた。
私の中学では上下関係が厳しく、いつも先輩のご機嫌をうかがっていたのを覚えている。
先輩に目をつけられれば、地獄を見る。
それをしっていたから…私は部活はかなりおとなしくしていた。

でも、この高校の野球部は違う気がする。
先輩が私に気軽に話しかけてくれることが、私にとってとても嬉しいことだった。


「先輩!先輩に対してその…。」


「あぁ~!気にしなくていいんだって。あの二人は中学のときからあんなふうだから。」


隣で説明し手くれたのは、春真。
なぜ知ってるのか聞くと、どうやら同じ中学の野球部だったかららしい。


いいな…

素直にそう思う。
憧れた。一瞬にして。
あんなふうに先輩とじゃれあったりできる部活って…
楽しそうだって思った。



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