夏と海~summer and sea~



今日からマネージャーになった。この楽しそうな部の。

私、本当は心のどこかで不安だった。

それは、はじめての人と会うのだから当たり前だけど…。

そうじゃなく…また…あんな厳しくて、自分が3年になるまで、少し怯えながら過ごさなくちゃいけないのか。

考えると、体が震えた。


でも…この部活なら大丈夫!

そう、心の底から思えた。

ギャーギャー喧嘩している二人を見て、少し笑った私は…おかしいのかな??


「はいはい。そこまでだ。
じゃあノック行くぞ!全員守備につけ!
一年は、今日は自分が得意な所、または好きなところに自由につけ!
内野でも外野でも好きにしろっ!」


『はいっ!』


――――――――――――――
ノック=それぞれ自分の守備につき、先生が打った球を取ること。
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海斗先生が二人の喧嘩の中継にはいり、てきぱきと生徒を移動させた。

皆がダダダッと足音をたてて、グローブを片手にそれぞれ守備につく。





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