夏と海~summer and sea~


「なんでだよ。」


「え~深刻キャラじゃない。」


「どんなキャラだよ、阿呆。」


「しらない、興味ない」


「………てめぇ…」


あ、航雅先輩だ。
私は微妙に怒ってる春真を置いて航雅先輩の元に走った。


「航雅先輩。あの、週一で参加する件ですけど、私ソフトボール用のグローブしか無いんですよ。いいですか??」


さすがに兄がいるわけじゃないし、野球グローブは持っていない。


「べつにいいと思うけど。捕れれば問題ないだろ。」


「ですよね。ありがとうございます。」


その場から立ち去って、私は慌て更衣室で着替えた。

制服はまだ新しくて、生地が固い。着心地はあまりよくないけど、ブレザーが着たくてこの学校を選んだのもあるから満足かな。


「智夏~!」


更衣室を出たところで、ちょうど春真と祐輔がいた。


「あ、話ってなに??祐輔も一緒なの??」


二人は顔を見合わせて、頷いた。


「たいしたことじゃねぇよ。マジで。
たださ、今度の合宿の時…飯作るの手伝ってくんね??」


< 27 / 28 >

この作品をシェア

pagetop