夏と海~summer and sea~
「なんでだよ。」
「え~深刻キャラじゃない。」
「どんなキャラだよ、阿呆。」
「しらない、興味ない」
「………てめぇ…」
あ、航雅先輩だ。
私は微妙に怒ってる春真を置いて航雅先輩の元に走った。
「航雅先輩。あの、週一で参加する件ですけど、私ソフトボール用のグローブしか無いんですよ。いいですか??」
さすがに兄がいるわけじゃないし、野球グローブは持っていない。
「べつにいいと思うけど。捕れれば問題ないだろ。」
「ですよね。ありがとうございます。」
その場から立ち去って、私は慌て更衣室で着替えた。
制服はまだ新しくて、生地が固い。着心地はあまりよくないけど、ブレザーが着たくてこの学校を選んだのもあるから満足かな。
「智夏~!」
更衣室を出たところで、ちょうど春真と祐輔がいた。
「あ、話ってなに??祐輔も一緒なの??」
二人は顔を見合わせて、頷いた。
「たいしたことじゃねぇよ。マジで。
たださ、今度の合宿の時…飯作るの手伝ってくんね??」