夏と海~summer and sea~
第一章 勧誘
マネジ
高校に入学して3週間ほどだった。
もう、生徒たちは所属部活を決めていた。
一人を除いて。
「有沢…まだ決まらないのか??」
そんな担任の苛立ちの声が聞こえる。
「ごめんなさい…。」
「たっく…。帰宅部もやだ、行きたい部活もない、か…。」
「すいません…。」
トンットンッとボールペンで机を叩く音がする。
相当苛立っているらしい。
その少女…智夏は申し訳ない気持ちで、担任を直視できなかった。
だって…入りたいと思う部活はほとんどこの学校にはなんだもん。
第一希望のソフトボール部はこの学校にはなく…
テニスも女子はない。
じゃあどうしろと??
「お前、何部がいいんだ??
この学校にはないのでもいいし。」