夏と海~summer and sea~
「ちょっと待ってろ。」
そういって神崎先生は席を離れた。
ここは放課後の教室。
一年生はみんな帰った。
残っているのは二、三年生で部活に所属している人たち。
私しかいない静かな教室に、野球部やサッカー部、テニス部などの声が聞こえる。
それと同時に吹奏楽部の綺麗な演奏。
あまりに綺麗なので思わず聞き入ってしまった。
聞いたことない曲。
でも…部活の声や吹奏楽の音はこの静まり返った教室にとって、とても心地よいものでもあった。
夕日がオレンジ色に染まる。
暫くして、神崎先生が戻ってきた。
少し汗をかいている。
走ったりでもしたのか、少し息切れをしている。
そして神崎先生の後ろにはもう一人の男の先生がいた。
「遅くなって悪かったな。」
「いえ…。」
後ろにいる先生。見たことがる。確か、女子の間でかっこいいと噂されている教師。