夏と海~summer and sea~
なるほど…。
それには納得だ。
なんにも知らないド素人がマネージャーになってもあまり役に立ちそうにない。
「お前なら、大丈夫そうだし。どうだ??他に入る部活もないなら、言いはなしだと思うが。」
「有沢ぁ~。もし入るんならこれに記入しろなぁ~。」
めんどくさそうに、神崎先生が入部希望届けを私に渡した。
「本当に、いいんですか??」
大好きな野球。
高校に入っても関われるなんて幸せとしか思えない。
「あぁ。もちろん。
でも、それなりの仕事はしてもらうぞ!」
「は、はい!」
まだ若い25歳くらいの教師の黒崎先生。
そのとき見せた笑顔は少年みたいにやんちゃで…
それがまた、乙女心を揺さぶった。
入部希望用紙に名前と所属部活を記入し、神崎先生に提出した。
それを見ると、煙草を加えた口元がニッと笑い「やっと決まったか。」と喜んだ。