アリス図書館‡QUEEN



しばしの沈黙が流れた・・・。


口元に手をあてて、俯いて震えている美麗。

それを無表情にただ見下ろしている憂。




「・・・・・・め・・・なさ」



「え?」



「ゴメン・・・なさ、い」




か細く、震える声で言った美麗。


それを言うと美麗は泣き出してしまった。




「・・・泣きたいのは、こっちだよ」



冷たい表情から一転して、今にも泣き出しそうな顔になった。




「・・・私、美麗の事、大好きなの。とっても大切な、私の親友・・・。


・・・アリスさんに会って、そんな美麗に復讐することだって考えた・・・」



「・・・」



「でも、出来なかった」



「えッ・・・?」




俯いていた顔を、ゆっくりとあげた。



「だって、やっぱり大好きなんだもん」



「あっ・・・」



「だけど、やっぱり許せないの・・・」




瞳から溢れ出た涙を拭いながら言う憂。


そんな憂を見て、今さらながら自分がしてしまった過ちを酷く後悔した。



「私、来週この街離れるの。
だから美麗とこうやって話すのは、もう今日で最後ね」



「そんなっ」



「もう、これ以上美麗を見てるの・・・辛いの」




本当に辛そうな憂。

そんな憂を見て、美麗は何も言えなくなった。




「・・・ゴメンね美麗。バイバイ・・・」



そう言って憂はその場を去って行った。
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