アリス図書館‡QUEEN
不思議に思いながら神菜を見る真樹。
「ばあさん、コレくれるか?」
人形を手にとりながら神菜が言うと、真樹は驚いた顔をした。
「はいよ」
ニッコリと微笑みながらおばあさんは言うと人形を受け取った。
「ちょっ、ちょっと!」
財布からお金を取り出そうとしている神菜の服の袖を真樹が掴んだ。
「ホントは欲しいんだろ?」
「べ、別に・・・」
フイッと顔を背けた真樹。
「ほら」
ズイッと真樹の前へ人形をやった神菜。
「女は素直に喜んで貰っとけ」
「・・・ありがと」
少しばかり照れながらも受け取った真樹。
「よかったね。お嬢ちゃん」
「・・・はい」
おばあさんにむかって笑顔で頷いた真樹。
この瞬間、全てが始まった。