アリス図書館‡QUEEN



神菜に人形を買って貰ってから数日。




「ねぇお母さん。私のピアス知らない?」




2階から下りてきながら真樹は母親に聞く。



「また唯香が借りてるんじゃないの?」




お茶を飲みながら答えた母。
それに納得すると、真樹はまた2階へと戻った。









ーコンコンッ


「唯香、私のピアス借りてない?」




扉を開けながら自分の妹、唯香に尋ねた真樹。



「ピアス?借りようと思ったらお姉がダメって言ったじゃん」




「は?」





キョトンとしながら答えた唯香の言葉に、真樹は怪訝そうな顔をした。




「さっき部屋に行ったら、お姉これから神菜さんとデートだからダメって・・・」





姉の様子に唯香も不思議がってきた。

それ以上に、真樹は不思議に思った。




「・・・それ、ホントに私?」




「う、うん・・・。服装は違ったけど、髪型も声も背格好も一緒だったよ」




「顔は?」




「そこまでは見てないけど・・・」





自分以外にもう一人自分が・・・?




そう考え出した時、真樹はハッとした。





「デートってもしかして・・・」




そう呟くとダッと真樹は駆け出した。




「お、お姉!?」





その突然の行動に呆気にとられていた唯香。


しかしすぐに椅子から立ち上がると、携帯と上着を手にとり自分も後を追った。


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