アリス図書館‡QUEEN
真樹は走りながら何度も神菜へと電話をしていた。
しかし、一度も繋がる事はない。
「一体・・・私のふりをしてるのは、誰・・・」
乱れた息を調えながら真樹は辺りを見渡した。
高いビルや小さなお店が建ち並ぶ・・・何処を見ても神菜の姿は見当たらない。
「ッ、」
真樹はまた携帯を取り出した。
「お願い・・・繋がって・・・・・・」
ワンコール・・・
ツーコール・・・
『もしもし?』
「!!か、神菜!?」
繋がった事に驚きと嬉しさで携帯を持つ手に力が篭った。
『そうだけど・・・真樹か?
お前何してんだよ。人を呼び出しといて』
「え?」
どういう事?
『用事があるからって大学の屋上に呼び出して・・・時間は過ぎてーブツッ』
「!!!?」
ツー、ツー、ツー、・・・
「か、神菜!?もしもし?神菜!!」
不自然に途切れた電話・・・身に覚えのない呼び出し・・・
胸の中のざわつきが増して、真樹は直ぐさま自分と神菜が通っている大学へと向かった。