アリス図書館‡QUEEN
「我々は警察です」
「警察?」
隣にいたもうひとりの男が唯香の手をとって答えた。
「貴方は見たのでしょう?
下の男性が突き落とされる所を」
「見ました・・・けど!!それは姉ではなく・・・」
「下の通行人が、貴方のお姉さんを見たんですよ。此処から下を覗いていたのを」
「だから!!それは姉ではなく姉のふりをした」
「とにかく、詳しい事情は署でうかがいますから。貴方も、目撃者として来てもらいます」
そう言うと真樹を連れている男に連れてけと促した。
真樹は、何を言っても無駄だと思ったのか終始無言で、下唇を噛み締めながら警察について行った。
「・・・ッ、姉は無実です!!」
「それを証明したければ、一緒に来ていただけますか?」
「・・・・・・」
唯香はその男と共に階段を下りた。