アリス図書館‡QUEEN



「我々は警察です」




「警察?」





隣にいたもうひとりの男が唯香の手をとって答えた。


「貴方は見たのでしょう?
下の男性が突き落とされる所を」




「見ました・・・けど!!それは姉ではなく・・・」




「下の通行人が、貴方のお姉さんを見たんですよ。此処から下を覗いていたのを」




「だから!!それは姉ではなく姉のふりをした」




「とにかく、詳しい事情は署でうかがいますから。貴方も、目撃者として来てもらいます」





そう言うと真樹を連れている男に連れてけと促した。

真樹は、何を言っても無駄だと思ったのか終始無言で、下唇を噛み締めながら警察について行った。




「・・・ッ、姉は無実です!!」




「それを証明したければ、一緒に来ていただけますか?」




「・・・・・・」





唯香はその男と共に階段を下りた。



< 118 / 172 >

この作品をシェア

pagetop