アリス図書館‡QUEEN
Ⅱ
―†アリス図書館†―
荒々しく叩かれている扉の音に眉をひそめたアリス。
「誰だ?こんなに乱暴に叩くのは・・・」
「待って」
餅搗きを中断した聖夜が見に行こうとすると、アリスが止めた。
「・・・聖夜は行かなくていいわ。イオン、貴方が見てきて」
「え、」
「わかりました」
動きを止め、アリスを見た聖夜。
イオンはアリスに言われると一礼して玄関ホールへと向かった。
「聖夜、此処から一歩も出ないで」
「あ、ああ・・・」
ジッと見て言われ、意図はわからないが聖夜は頷いた。
アリスは聖夜が頷いたのを見ると椅子から立ち上がりエインセルに視線をやった。
「エインセルも来てくれる?」
「いいよ」
笑顔で言うとエインセルはアリスの肩へとのった。
出て行くとき、最後にもう一度アリスは聖夜を見た。
「いいこと?指示があるまで絶対に勝手に動かないで」
「・・・ハイ」
冷たく鋭い瞳で言われた聖夜は、冷や汗を流しながら頷いた。