アリス図書館‡QUEEN
七瀬も飯田もアリスの雰囲気が変わったのに気づき、二人は一度視線を交わした。
「・・・先月あった愛澤李兎さんの殺人事件をご存知ですか?」
七瀬が切り出した。
それにアリスは少し考えた後頷いた。
「ええ、そんな事件ありましたね・・・確かその後、婚約者の方も自殺を・・・」
「はい。愛澤李兎は自信が経営していたカフェで殺されました。事件性が高いのでこちらも捜査をしているのですが、なんせ時間が遅くてですね・・・」
「目撃情報がない・・・という事ですか」
アリスが言うと七瀬は頷いた。
「営業時間が過ぎると、店に設置された監視カメラは停止する仕組みになってたんですよ」
「ダメ元で監視カメラの映像を見てみたら、誤作動かなにかでカメラは起動していたんですよ。
そしたら、こんなものが映ってたんですが・・・」
七瀬が言うと飯田は胸ポケットから写真を取り出し、テーブルの上に載せアリスの方へとスライドさせた。
アリスはただ、無表情に写真を見る。
「これは監視カメラの映像の一部をプリントアウトした物です」
飯田が説明をした。
「こちらに映っているのはアリスさん・・・貴女ではございませんか?」
七瀬の目が、鋭く光った気がした。
アリスは相変わらず無表情・・・。