アリス図書館‡QUEEN



「いえ、ただの確認ですよ。
若い、金髪ロング・・・この写真からはそれと、性別ぐらいしかわからないのでね」




「しらみ潰しに捜していっているのですか?」





今まで黙っていたイオンが口を開いた。



「はい。此処で三軒目です」




「お疲れ様です」




「いえ、これが仕事ですからね」




はは、と七瀬は笑った。


その時、館内に閉館の音楽が流れ出した。



「これは?」




「図書館の閉館の時間の音楽です。すみません、少々席を外します」




「ああ、我々ももう帰りますんで」





七瀬と飯田はソファーから立ち上がり、四人は玄関ホールへと来た。




「それでは、長々と失礼しました」



「犯人、捕まるといいですね」




扉を開けると、空はすっかり茜色に染まっていた。



「・・・七瀬さん」




「はい?」





飯田が車の方へと先に行って、イオンはその場にはおらず、七瀬とアリスの二人きりになった。

そんなとき、アリスが七瀬を呼び止めた。




「・・・また、会いましょうね」



ニコッと笑って言ったアリス。




「ええ、また」




七瀬も笑顔で返すと車の方へと去って行った。



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