アリス図書館‡QUEEN



何時もとはイオンを纏う空気が違って、アリスは少しばかりたじろぐ。




「・・・む、り・・・って、どうして?貴方には迷惑かけないから・・・」



「かかるって目に見えてる。それから、前にも言っただろ?未来を代えることは許されないって」



「・・・イオンは、聖夜が死んでもいいと思っているの?」




下から睨み上げるようにイオンを見ながらアリスは言った。



「・・・・アリスが未来を代えたりすれば、あいつが黙っていないよ」



「もう感ずいてこっちに来てるわよ」



「だからこそ、俺はアリスに血迷ったことさせたくないんだけど」



「・・・嫌って言ったら?」



「契約破棄」



「!!!」




イオンが放った言葉にバッと逸らしていた視線を向けた。



「・・・どうする?契約破棄してまで聖夜を助ける?
両親よりも、聖夜が大事?」




イオンの問いに俯いたまま下唇を噛み締めるアリス。
握った拳は微かに震えている。



「・・・ぃ・・・」



「え?」




小さく何か言葉を発したアリスの声はイオンの耳には届かず、聞き返したイオンをキッと睨み返した。




「嫌い・・・!」



「・・・嫌い、か。別にいいよ」



「んっ!」




嫌いと言われても顔色一つ変えず、アリスに何時もと変わらないキスをした。



「んんっ!」



「ッ!」




ードンッ!!



イオンの唇を噛んで怯んだ隙に思い切りイオンを押したアリス。




「ッ、大っ嫌い!!」



そう言うとアリスはダッとその場から走り去った。




「・・・大嫌い、か」



そう呟くと、イオンは扉に寄り掛かり、考え事をするかのように暫くその場にいた。



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