アリス図書館‡QUEEN



アリス図書館からの帰りの車の中。




「結局、アリスさんと監視カメラの女は別人だったんですかね・・・」



運転席で飯田が言う。
帰省ラッシュで道が来るときよりも混んでおり、少々うなだれている。




「・・・本当に別人だと思うか?」



「え?」




窓の外を眺めていた七瀬は、先程の事を思い出していた。



「あいつの瞳は、挑発的だった」




微笑みの顔も、考える顔も、困った顔も・・・全部、瞳だけは同じ挑発的だった。
ただ一度、写真を見せた時以外・・・。




「あいつって、アリスさんの事ですか?」




「ああ」



そうだったか・・・と考える飯田。




「・・・・・・・」





―――また、会いましょうね




「・・・宣戦布告か」



フッと笑いながら七瀬は呟く




「承けてたってやるよ」



「え?何ですか?」



「いや、なんでもない。
それより、署に帰ったらアリス=ミューベルについて。あと、イオン=マクリエルについて調べるぞ」




「はい」






〝警察〟という名の駒が、今動き出した。



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