アリス図書館‡QUEEN







アリスが長い廊下を歩いていると、閉館の音楽が鳴り響いた。






「・・・はぁ」






アリスは今日何度めかの溜め息をはいた。






「溜め息をはくと、幸せが逃げるぞ」






背後からかけられた声に、アリスはキョトン、として振り向いた。






「・・・聖夜、どうかした?」




「いや、荒れてるかと」




「はぁ?」






聖夜のいきなりの言葉にアリスは怪訝そうな声を出した。


だがすぐにああ、といった顔になった。






「別に、あれくらい貴方が来る前からだったからなれたわよ」




「・・・強がり」




「今すぐ契約破棄にしましょうか?」






ニッコリ笑っているのに目が笑っていないアリスの顔を見た聖夜は激しく首を横に振った。






「・・・あれから半年ね‥‥‥」




「え?」




「私寝るから、図書館の鍵よろしく。夕食が出来たら呼んでちょうだい」






アリスは言いながら手近にあったドアの鍵穴に自分が持っていた鍵をさした。






「おやすみ」






そういうとアリスは部屋の中に入っていった。











「・・・半年、か」






先の見えない廊下で、聖夜の声が響いた。





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