アリス図書館‡QUEEN
「今、私が貴方達の名前を知っていた事はどうでもいいと思うわよ。
貴方達二人が望んでいる事は私が名前を知っていた理由?違うでしょ?
どうしても叶えて欲しい願いがある。だから来た。だから来ることができた。そうでしょ?」
アリスが言うと二人はぐっと言葉に詰まった。
「・・・お茶の用意をさせてるの。こちらへ来なさい」
「いや、茶はいらない」
談話室へと案内しようとしたアリスの足を止めたのは神菜だった。
「頼む。真樹を助けてくれ」
力強く言われ、クルッとアリスはまた二人へと振り向く。
「・・・それが、貴方の願い?」
「そうだ」
頷いた神菜を数秒見つめると、徐に手を伸ばした。
そのアリスの行動に軽く身構えた神菜と唯香。
−パチン
−ふわっ
「え、・・・」
指を鳴らすと神菜の首筋から細い糸が浮いて出た。
その光景に神菜も唯香も驚く。
「・・・金色の人毛・・・最近ビスクドールか何かを買わなかったかしら?フランス人形を・・・」
「あ・・・買った・・・フリーマーケットでばーさんが売ってたのを真樹に・・・」
「そ・・・」
聞いたのはアリスだが、返事はそっけない。