アリス図書館‡QUEEN
Ⅳ
寂しいから 愛おしいから
たくさんの言の葉を降らせるの
たくさんの言の葉を積もらせるの
また会いたい また会えない
いくつの時を越えようと
いくつの時を重ねようと
私は貴方に出会うまで
私は狂い踊りつづける――――
「本当に、いつまで待つつもりかしら?」
建物の屋上のフェンスに腰掛け、唄を口ずさむ少女は顔だけ後ろへと軽く向けた。
その姿を確認した少女はクスッと笑った。
「こんばんは、アリス図書館の司書―――アリスサン」
それだけ言うとまた少女は前を向いた。
風が亜麻色のツインテールした少女の髪を靡かせる。
その背に向かってアリスは話しかける。
「狂いの双子・・・何もかもが理解しがたい貴方達についた通り名」
アリスが腕を組んで、一定の距離を保ったまま言うと、フッと少女は笑った。
「・・・正しくは、マッド・ツインズだよ」
狂いの双子=マッド・ツインズ。
あまり褒め言葉として受け取りがたい言葉だが、本人は気に入っているように楽しげに言う。