アリス図書館‡QUEEN
下の方を見ていた少女が、そういえば、と口を開いた。
「あの女の妹、来たでしょ」
「・・・・・・」
「それから彼も。願いは・・・まあだいたい予想がつくよ」
何も答えないアリスに構うことなく話す少女。
「ねぇ・・・図書館司書さん」
「・・・何かしら」
「私は待つの。例えこれから先何十年、何百年待つことになってもずぅっと、ずぅっと待つの。出会える日まで」
これは、さっきのアリスの質問の答えだろうか。
アリスは何も言わずじっと聞く。
「例え出会える見込みがなくても、私は少ない可能性に賭ける。
私は、どんな事をしてでもあの人に会いたいの・・・」
最後の方で、フェンスにかけていた手に力がこめられた。
「・・・そのために、そうなった原因を作った者の下で駒になるの?」
「・・・・・・うん、そうだよ」
くるっとまわってフェンスから飛び降りると少女はアリスの前に向かい合わせでたった。
「利用されようがされまいが、あの人に会うために私はアイツの駒となる。
あの人に会うために人を殺す。あの人に会うために私は、不幸を与えるの。
狂ってるって言われても、別にいいの。ただ私はあの人に会いたいの・・・!」