アリス図書館‡QUEEN
二人は数秒見つめ合うと、少女が先に動き出した。
アリスに鋏の剣を振り上げると勢いよくアリス目掛けて振り下ろした。
それをアリスは飛躍して避けると少女を乗り越え手をついて着地した。
「ねぇ!貴方が望んでいるモノはこんなことして手に入るの?」
その体勢のまま少女の背に問いかける。
しかし少女は答えず鋏の剣をブーメランのようにアリスへと投げた。
ギリギリで避けたアリスだったが頬を僅かに掠った。
「・・・司書サンには関係ないよ」
戻ってきた鋏の剣を手にとりながら少女は言う。
「第一、聞いてどうすんの?」
「貴方の願いを叶える」
「無理だよ。司書サンじゃあダメ。あのバーサンじゃなきゃ」
否定的だが、微かに少女の瞳が揺らいだのがわかった。
「可笑しいわね。マッドツインズの片割れである貴方が弱音をはくなんて」
「別に。可笑しくないよ」
「あら、それも可笑しい返答ね。いつもの貴方なら可笑しいって言えば、だってマッドツインズだから、て言うのに」
「・・・・・・」
何も言わずにアリスを見つめる少女は、何を考えているのだろうか・・・。