アリス図書館‡QUEEN




アリスは何も言わない少女に小さく溜息をはくと銀色に薔薇の模様があしらわれた銃を取り出した。





「・・・私は図書館の司書アリス。貴方の願いを叶える事が出来るわ」




銃の安全装置を外しながら言い出したアリスを不思議そうに見る少女。


構わずアリスは続ける。





「叶えたい願いがあるなら言いなさい。私が叶えるわ」




だけど、とアリスは安全装置を外した銃を言いながら少女へとまっすぐ向けた。




「言わないで私の命を狙うなら、手加減無しで殺してあげる」





「・・・いいよ。返り討ちにしてあげるから」




少女も鋏の剣を構えた。


しかし、一瞬ピクリ、と反応すると無表情だった顔の仮面が外れた。





「・・・残念。邪魔者が・・・」



「え、?」





眉をハの字にさせて苦笑しながら鋏の剣をカン、と屋上の地面へとおろした。





「司書サン、今回踊り間違えれば私は殺されるの」




不思議そうにしていたアリスが銃を構えていた手をおろす。





「だったら私は貴方に希望を持つ。司書サン、私の願いは彼に再び巡り会う事。
叶えてくれる?」




「・・・貴方の願いは私が叶える。代わりに、その願いに見合った代償を頂くわ」




それでも?とアリスが問えば、少女はにっこりと笑った。





「うん。絶対叶えてね・・・またね、アリスサン」





そう言った時にはもう少女の姿はそこにはなかった。







「・・・また出会える日は、貴方の願いが叶う時よ・・・シェール・・・」




朝日が昇る中、空を見上げながらアリスが呟いた。







「契約成立」




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