アリス図書館‡QUEEN
アリスもイオンも不在の図書館には聖夜、エインセル、今回のお客様神菜と唯華がいた。
しかし先程から誰一人話さない。
(き、気まずい・・・)
重苦しい空気に聖夜はもう限界だった。
(早くアリスでもイオンさんでもどっちでもいいから帰って来てくれ〜!!)
そんな聖夜の心の声が届いたのか、部屋の扉が開いた。
「アリス!!」
アリスの姿を確認したエインセルはパッと笑顔を見せるとアリスへと飛んで行った。
「ただいまエインセル」
「怪我は!?あ、頬っぺた傷ついてんじゃん!でも帰ってきたってことは勝ったの!?」
「・・・そんな一度に色々言わないで」
「あの、アリスさん・・・」
遠慮がちにアリスへと話し掛けたのは唯華だった。
「姉は、どうなったんですか・・・?」
唯華の問いにふぅ、と息をはいた。
「被害者である辻崎神菜はそこにいるとおりピンピンとしているし、刑事に言ったんでしょ?自分を突き落としたのは違う奴だって」
頷く神菜。
「だったら大丈夫でしょう?私は願いをちゃんと叶えたわ。後で確かめなさい。
・・・それで、代償だけど」
パチン、とアリスが指を鳴らすと、三人は真樹の部屋にいた。