アリス図書館‡QUEEN
Ⅴ
・・・物語はまだ終わってない。
なぜかって?それは・・・
「アリス〜、いい加減イオンと仲直りしたら?」
「嫌」
「えぇ〜(泣)」
そう。未だにアリスがイオンと一言も話していない・・・すなわち、仲直りをしていないのだ。
もう聖夜とエインセルからしたら堪えられないのだ。
「・・・そういえば、アリスはあの日イオンさんに会ったのか?」
聖夜の言葉にアリスが不思議そうに聖夜を見る。
「あの日?」
「ほら、辻崎さん達が来た日、アリスどっかに行っただろう?」
あの双子の少女、シェールと会った日の事だろう。
「その日、アリスが出て行った後イオンさんが帰ってきてエインセルが伝えたらイオンさん、また直ぐに出て行ったんだよ」
「えッ・・・」
面食らったアリスはあの日、シェールが呟いた言葉を思い出した。
―・・・残念、邪魔者が・・・
「・・・そういう事」
はぁ、と溜息混じりにアリスが呟き立ち上がると聖夜は何か文句でも言われるかと思いビクッと身構えた。
でも、そんな必要もなかった。
「ちょっと行ってくるわ」
「あ・・・おう」
よかった!仲直りだっ。
と、二人は心の底から喜んだ。