アリス図書館‡QUEEN
驚き目を見開いてゆっくりと俯かせていた顔を上げたアリス。
目の前では、今まで背を向けていたイオンがアリスに苦笑いを浮かべながらこちらを向いていた。
「まったく・・・俺ってアリスにはあまいよ・・・」
そう言いながら目元に溜まった雫を指で拭い取る。
「・・・イオン?」
「何?」
キョトンとした感じにアリスがイオンの名を呟くと、イオンは微笑みながら返事をした。
それが嬉しかったのか、アリスは嬉しそうに笑った。
「・・・何か、癪だけど謝るわ」
「へぇ、癪なんだ?」
にっこりと笑ったイオンにうっ、となったアリス。
「・・・ごめんなさい」
「・・・ま、俺も悪かったかな」
そう言うとイオンはギュッとアリスを抱きしめた。
「・・・それと、ありがとう」
「え?」
急にお礼を言ったアリスにイオンは不思議がる。
「シェールに会った時、来てくれたんでしょ?」
アリスが言うとああ、とイオンが納得した。
「流石は双子。気配を消していたのに気づいたんだぜ?」
アリスは気づかなかったけど、と言ったイオンにムッとしたアリス。