アリス図書館‡QUEEN
Ⅰ
春が過ぎ
夏が過ぎ
秋が過ぎ
そして、二回目の冬が来る―――
「ジングッベ〜ルジングッベ〜ル鈴が〜鳴る〜♪」
樅の木にルンルンと飾り付けをしているのはエインセル。
「・・・何だこの馬鹿でかい樅の木」
を、見て呆気に取られているのは聖夜。
「あ、オハヨー聖夜。何って、クリスマスツリーだけど?」
「いや、それはわかる。
俺が聞いてんのはその大きさだ」
庭へと出た聖夜の目の前には、図書館よりもでっかい樅の木。
それに飾り付けをしているエインセル。
クリスマスツリーだって事は時期とその行動から想像がつく。
だが、どうみてもクリスマスツリーといえる大きさではない。
「凄いでしょ?イオンに頼んでおっきくしてもらったの」
得意げに言ったエインセル。